内部通報制度と情報収集システム 1話
- Konno.y
- 2018年2月27日
- 読了時間: 3分
更新日:2018年10月6日
内部通報というのは、「労働者が、法令違反、規則違反、不正行為、疑問などを組織内部の窓口に対して、匿名または実名で相談・通報・情報提供すること」を言います。
これ対して、企業では「危険・リスクだ!」と認識しておかなければならないのは、「内部告発」です。
これは、「労働者が、組織内における法令違反、不祥事、社会に害を与えるような違法行為や 不正行為などを、行政・司法機関,マスコミなどの外部に対して告発・通報・情報提供すること」を言い、事が大きくなると言えます。
しかし、内部通報は、労働者が会社に情報提供してくれる為、事が大きくなる前に改善・是正を行い、今後について対策をする事ができます。
尚、内部告発が行われた場合は、企業として対応することが非常に難しくなります。
事後対応出来ない程の重大な問題もありますが、軽微な事案であれば、危機管理対策でなんとか対応することも不可能ではありませんが、難しい事は確かです。
危機管理とリスク管理については、別な機会にお話しをしたいと思いますが、簡単に言うと
「危機」というのは、既に発生した事態を指しており。
これに対して、「リスク」はいまだ発生していない危険を指す。
簡単にいうと、「危機管理」と「リクス管理(危険管理)」は違うと言う事になる。
つまり「危機管理」というのは、既に起きた事故や事件に対して、そこから受けるダメージをなるべく減らそうという発想である。
これを理解した上で話しをすれば、内部告発が起きてしまった場合は、「危機管理対策」を行う事になる。
例えば、危機管理対策チームを急遽設立するとか、危機管理室を設けるとかの対応になる。
前回、情報収集とコンプライアンスという話しの中で、内部通報制度を簡単に情報収集システムと話していますが、これは労働者から見た場合「内部通報制度」と言うと、何か堅苦しいイメージで、「通報する」と言う言葉に抵抗を感じる人たちも多為、情報収集と呼んだ方が情報が集まりやすくなると言う事からです。
ですから、労働者の方々には、あまり気負わずに「気軽に情報を提供」してもらえる仕組みを「情報収集システム」と私は呼んでいます。
ここからは、内部通報制度を「情報収集システム」と呼び換えて話しを進めていきます。
情報収集の意義は、その目的に「リスク管理」と「危機管理」があります。
これは、「リスクの早期発見」と「危機の早期対応」の2つに分かれます。
法違反・パワハラ・社内不正など様々な問題が情報として寄せられる仕組みを創る。
簡単に法違反といっても、企業が利益を上げるために会社を運営する上では、
1つや2つの「法の規制」ではとどまりません。実に様々な関連法規が存在します。
簡単な例をあげれば、皆さんも聞いたことがある「労働基準法」と言う法律があります。
この労働基準法は、「労働法」の一つになります。
では、労働法とはどのようなものを言うのか!
労働法は関連法規は多く、
労働基準法
労働契約法
労働安全衛生法
男女雇用機会均等法
パートタイム労働法
育児介護休業法
最低賃金法
労働組合法
労働関係調整法
労働審判法
職業安定法
雇用保険法
労働者災害補償保険法
労働者派遣法
など様々であり、これらを全て管理するのは容易ではない。
ですから、労働者からの情報を収集できれば、労働関連法規だけを見ても「残業問題・パワハラ・セクハラ・いじめ・契約問題・有給休暇・男女差別・解雇など」の情報が得られるのは、実に重要なことだと思います。
では、次に情報収集をした上で、企業のするべきことは何か!
について話しを進めますが、この続きは2話で話します。
お楽しみに!
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